「丁稚(でっち)ようかん」ってご存知ですか? 羊羹の水分の多い柔らかいもの、一般的には「水ようかん」と呼ばれていますが、伊賀では水ようかんをより甘さを控え、より柔らかくしたものを「丁稚ようかん」と呼び、市民にとても親しまれています。
冬場は、こたつで家族の団欒に。夏場は、冷蔵庫でよく冷やしお客様のおもてなしに。
どんなときにも、柔らかくて甘さ控えめな「丁稚ようかん」は重宝します。
「丁稚ようかん」の由来は、諸説ありますが、
昔奉公人の丁稚(入門したての若い弟子)が、残っている羊羹に水分を加え、煮詰め直して量を増やして食べたことから!?、
丁稚が羊羹を作るときの分量を間違えて水を多くしてしまったことが功を奏した
などといわれています。
私が小さい子どもの頃、祖母が小豆を庭で干し、それを七輪でコトコト煮て餡を作り、少量の寒天を加え冷蔵庫で冷やして「丁稚ようかん」を作ってくれたものです。
そののどごしの良さが今でも懐かしくよみがえってきます。
伊賀の古い家ではどの家にもそれぞれのレシピがあったのではないかと。
そんな「丁稚ようかん」は、伊賀の和菓子屋さんのほとんどのお店で製造販売しており、味や硬さがお店によって微妙な違いがあります。
甘党ではない私のオススメは、本町通りを西に向かい徒歩数分の「御菓子司おおにし」でしょうか。 おおにしの丁稚ようかんは、一際甘さが控えめで、喉ごしよく上品な小豆の香りが私好み。
最近は、小豆・抹茶・紫芋・黒ゴマ・ゆず・季節限定のいろんな味の丁稚ようかんやコーヒー味の丁稚ようかん、カップ入りのものなどが販売されていて、食べ比べる楽しみもあります。
丁稚ようかんは伊賀のおみやげとして外せない逸品。皆さんに喜ばれること間違いなしです。
今回紹介の店は、
「御菓子司おおにし」
伊賀市上野中町3009-1
他にも、 「朝日餅」「いせや」「桔梗屋織居」「欣栄堂」「紅梅屋」「桃青庵ふじさき」「湖月堂」などがあります。