哲学の道から銀閣寺(東山慈照寺)。北山の華やかさとは裏腹にしっぽりと和を感じられる東山の一角。京都大学も近いこともあり、著名な文化人とすれ違うのではないかと感じるスポットです。
哲学の道から少し逸れ、銀閣寺の入口に向かいます。
総門から別世界へといざなうように、長く高い垣根の道を進むと、中門。
中に入って、まず目に止まるのが、白砂の砂盛り向月台(コウゲツダイ)、波紋を表現した銀沙灘(ギンシャダン)。
少し不思議な気持ちになる、美しく盛られた砂。将軍足利義政はここに座って東山に上る月を眺めたそう。ここから見る月はどんな思いを馳せていたのだろうと、、、凡人の私には想像の余地もありませんが。
このお寺の見どころは、もちろん銀閣寺と称せられる観音殿。
そもそも、銀閣寺の正式名称は東山慈照寺といい、室町幕府八代将軍の足利義政によって東山山荘、いわゆる別荘として造営されました。義政の没後、義政の菩提を弔うため慈照寺という名となり、お寺に変わったようです。
創建当時、妻日野富子の政治への口出しや部下の対立などで応仁の乱が起こってしまいます。義政は政治に嫌気をさし、政治の世界から逃れ静かな生活を送るため、1482年に東山殿を造営したとされています。
苔寺を模して作ったと言われる庭園も見逃せません。この小高い山から眺める銀閣寺、そして遠くに浮かぶ京の街の見晴らしはなかなかのもの。
美しい苔の庭を下り、錦鏡池(きんきょうち)へ。ここから銀閣と呼ばれる観音殿を見ると、銀閣寺が池に反射し逆さ銀閣に見えることからこの名がついています。
日本文化の控え目で静を良しとするところ。このお寺にはその静があります。これが多くの訪問者を引き付けるゆえんではないかと。
善政は祖父である3代将軍義満の北山殿金閣に劣らぬ建築を意図したとされていますが、創建当時から銀箔を貼る予定がなかったとか・・・。実際のところはわかりませんが、将軍義政の美的センスが未だに輝いている場所。わびさびの世界にすっぽり浸るには絶好の場所でした。
市バス「銀閣寺道」バス停下車徒歩12分・「銀閣寺前」バス停下車徒歩7分
夏季(3/15-11/30)8:30~17:00・冬季(12/1-3/14)9:00~16:30
拝観500円